JAPAN BLUE SLIPPER

野川染織工業(株)×南河原スリッパ

『JAPAN BLUE SLIPPER』シリーズは、「伝統技術の承継」、「地域産業の復興と活性化」の想いのもと、野川染織工業(株)と南河原スリッパとのコラボレーションで生まれました。

昨今、日本の誇るべき伝統産業は、衰退の一途をたどっています。それは私たちの活動する地域(埼玉県)の伝統産業である「藍染め」やスリッパ産業においても同じです。

この『JAPAN BLUE SLIPPER』では、安易に生産性を向上し効率化を追求するような試みはしません。「先人の知恵を守り、伝統技術を承継していくこと」が私たちの使命であり、大切にしている想いです。

日本の優れた伝統技術を絶やすことなく、みなさまの暮らしに長く寄り添えるような商品をお届けできるよう、一足一足丁寧にお作りしています。

 

 

 

 

 


製品のこだわり

<伝統的な藍染め技法>

日本の文化や生活に深く根付いてきた「藍染め」。

「藍」の色合いには、落ち着きと重厚さがあり、かつては「縁起の良い色」とされていました。

また、「藍」は抗菌効果と防臭効果に優れた天然素材です。

 

<刺し子の剣道衣生地を使用>

藍で染めた糸で「刺し子」生地に仕上げています。

刺し子は、日本の伝統的な技法で、生地の耐久性が高いのが特徴で、主に剣道衣に使用されています。

また、保温・吸湿性にも優れ、冬暖かく、夏は表面の凹凸によって肌がベタつくことがないため、季節を問わず快適に過ごせます。

 

 

<育てるスリッパ>

藍染めの伝統技術と南河原スリッパの技術を結集することで、藍の色合いを楽しみながら、長くお使いいただけるスリッパに仕立てました。

藍は色落ちしていくことで、馴染み、好みの色合いや風合いになっていきます。

「あなただけの一足」に育てることを楽しんでいただければと思います。

 

※藍の色落ちについて:藍甕の中に糸を入れると、水に溶けた藍の色素を含むさまざまな成分が繊維の中に入ります。そして、甕から出し空気に触れさせることで色が青に変化していきます。この工程を何度も繰り返すことで染めていきます。藍は糸の中及び表面をコーティングしますが、使っていくうちに表面の藍は少しずつ離れていきます。これが色落ちという現象です。

『JAPAN BLUE SLIPPER』は、藍の持つ美しさや機能はそのままに、肌が触れる部分の縦糸を白、横糸を藍染糸として織り出した刺し子生地にすることで、なるべく靴下などに色移りしない工夫をしています。


野川染織工業(株)の技術

 

日本で藍染めが庶民の間で定着したのは江戸時代中期だといわれています。数ある日本の藍染め産地の中でも武州(羽生地域)は抗菌・防臭・虫除けの効果が高い農作業着として広まり、藍染めの一大産地として発展しました。野川染織工業の創業は1914年(大正3年)。創業から今日まで、1世紀以上にわたり伝統的な藍染め技法を絶やすことなく受け継いできました。その伝統は、天然発酵建ての藍液を育て、糸の状態から染める、「天然発酵建て・先染め」の技法にあります。

職人が四季折々の気候や気温を肌で感じながら根気よく愛情をかけて世話をし、その藍で糸を染めた後、シャトル織機を使って生地を織り上げていきます。

職人が藍と対話し、真摯に向き合うことで生まれた製品は、年数を経るごとに風合いも愛着も増していく、特別な一品です。

 

※藍染め技法について詳しく知りたい方は、野川染織工業(株)のHP(http://www.bushuichi.com/)をご覧ください。

 


製品情報(色展開)

 

 

<色展開>

3色展開(褐色、瑠璃色、浅葱色)

※天然の染めものなので写真の色味との多少の差はご了承ください。

※藍を染め重ねた回数で色合いや表情が変わります。重厚な色合いがお好みの方は「褐色」、美しい藍の色合いを楽しみたい方は「瑠璃色」、柔らかい色合いがお好みの方は「浅葱色」がおすすめです。


藍染め製品のお手入れ方法と注意点

 

<初めて履く前に>

糸に多量の藍が入り込んでいるため、藍色が移ることがあります。初めて履く前にたっぷりの水またはぬるま湯で色落としをしてください。

<洗い方>

  •  水かぬるま湯での手洗いまたは押し洗いを推奨
  •  洗濯機で洗う場合は水をたっぷり張ってください
  •  漂白剤の混入している洗剤の使用はおやめください
  •  色移りしやすいため、他のものと区別して洗ってください
  •  数回の洗濯では色ムラが出ることがありますが、ご使用いただいているうちに次第に色合いは均一になります

 <保管方法>

直射日光が当たらない場所に保管してください

 <色落ち>

薄い色から濃い色になるまで何十回と染め上げられた糸で織った生地のため、使いこむほどに徐々に退色していきます

 <摩擦>

藍染めは強く擦ると表面の色が剥離します。特に新品の濃い色の時はご注意ください

 <青縞(あおじま)>

タテ糸・ヨコ糸に色の濃淡が出る場合がありますが(青縞)、本製品の特徴とご理解ください。天然発酵建て藍の先染めのため、藍の調子によって染色状態は変わります

 <縦フシ>

布の横方向に細いスジのような線が見られる場合がありますが、布の強度には支障ありません。何十回と天然の藍液をくぐった糸を織る場合の付随現象です